冷徹社長が溺愛キス!?
もちろん、その間も例のアイドルの歌を陽気に歌いながら。
社長はその歌声をものともせず、私がアパートで降ろしてもらうまでずっと寝入っていた。
それも無理はない。
私が山小屋で眠り込んでしまうときにたくさんあった薪は、私が朝目覚めたときにはほとんどがなくなっていたのだ。
ということは、ほぼひと晩中、火が消えないように見ていてくれていたということ。
傲慢な社長というイメージは、この二日間で少し違うものに変わっていた。
「あとで、じっくり話聞かせてね」
ロッカールームを出て歩きながら、麻里ちゃんが私の肩をトントンとした。