冷徹社長が溺愛キス!?
「よかったら、今度私の部屋にも届けてくれない?」
「……え……あ、はい! 喜んで!」
速水社長同様に、花を飾ることを注意されるかと思っただけに嬉しくなる。
憧れの三木専務からのお願いだけに、喜びは倍増だ。
専務はニコッと微笑んだ。
「ほら、社長、プレゼンが始まるから行くわよ」
専務に声を掛けられた社長は、腕時計を確認して「そうだな」と頷いた。
「申し訳ありませんでした」
最後にもう一度頭を下げると、「もういいから、仕事に戻りなさい」と専務から優しい声で返された。
ふたりが遠ざかると、麻里ちゃんと揃って大きく息を吐く。
「はぁ、生きた心地がしなかった」
そう言う麻里ちゃんに何度も頷くことで同意する。
もしあそこで三木専務が通りかからなかったら、社長からどんな恐ろしい言葉を投げつけられていたことか。
想像するのもおぞましい。