冷徹社長が溺愛キス!?
「おっと、雨宮防衛隊のお出ましですね」
「なんなのよ、防衛隊って」
「大変ですよね、雨宮さんの面倒をみるのも。心中お察しいたします」
加藤くんが胸に手を当てて、麻里ちゃんに一礼する。
なんだか、散々な言われようだ。
そうこうしているうちに、やっと立ち上がったパソコン。
社内メールを開け、発信者である加藤くんの名前を優先で探す。
……あった、これだ。
そのメールを開くと、会議予定は九時半となっていた。
腕時計を見ると、その時間まであと三分を切っている。
「あの、加藤くん、朝イチの会議の場合、前日のうちに――」
「早く会議室を開けてください」
のらりくらりと話しているつもりはないのに、待てなかったらしい加藤くんが遮る。
「あ、うん……」
総務部長の横にあるキャビネットへ行き、置かれているキーボックスから会議室Cの鍵を取る。
「早くしてください」