冷徹社長が溺愛キス!?
「先ほどは失礼いたしました」
社長は私が濡らしたスーツのジャケットを脱ぎ、それを左腕に掛けていた。
「雨宮さん、早く開けてください」
脇から加藤くんに声を掛けられて、そうだったと思い出す。
持ってきた鍵で開錠。
ドアを引いて開け、ノブを掴んだまま待っていた人たちを中へ通した。
社長に続いて入った三木専務が「気にしないのよ」と私の肩をポンとひと叩き。
それに喜んだのも束の間、最後に入った加藤くんからは「次はくれぐれも気をつけてくださいよね」と釘を刺された。
散々な朝の始まりだった。