冷徹社長が溺愛キス!?
穏やかな寝顔だった。
隣の部屋で私が寝ていても、こうして気にも留めずに眠れるのは、社長の気持ちが私に一片も向いていないことの証だ。
それなら、あのキスはなんだったんだろう。
私ひとりでは答えの出ない難題に直面して、胸が締めつけられた。
そうしてぼんやりと彼の顔を見ているうちに、徐々に眠りが襲ってくる。
そこから立ち上がってベッドへ戻るのも面倒なほど、全身が倦怠感に包まれていった。
それに何より、三木専務の影が見え隠れするベッドより、こうして社長のそばにいたい。
ソファのヘリにもたれて目を閉じると、引いていく潮に流されるように眠りの渕に引き込まれた。