冷徹社長が溺愛キス!?
「今朝はいつにも増してたくさん焼いたから、じゃんじゃん選んでちょうだいね」
言われるまでもなく、社長はトレーを持つと、次から次へとパンを載せていく。
それも、メロンパンばかりだ。
「奈知は何を食うんだ?」
「えっと……私もメロンパンで」
この前食べたメロンパンをもう一度食べたいと思っていたのだ。
私の答えに満足したらしい社長は、微笑みながらメロンパンを山積みにしていった。
そして、他のパンもいくつか加えてレジへ持って行く。
「食べて行くんでしょう?」
レジを打ちながら福子さんが訊ねる。
「もちろん。焼き立てが一番ですから」
食べて行くって……?
「いつものでいいのかしら?」
「はい、お願いします」
「なっちゃんは?」
福子さんが私に聞くけれど、いったいなんのことやら分からずポカンとする。