冷徹社長が溺愛キス!?
◇◇◇
園田さんと、丸一日掛けて株主総会の招集通知の準備を終え、郵便局から帰ったときには、退勤時間を五分ほど過ぎていた。
園田さんがひとりで準備をしていたときには、もう何日か要していたらしいが、ノロマな私の手でもスピードは上がるらしい。
『早く片付いて良かったわ』と、珍しく速さを誉められて、ちょっと嬉しかった。
これでいよいよ、開催を待つだけとなる。
株主総会の資料の準備のほとんどは園田さんが既に作っていたので、私の出る幕はなかったのだけど。
来年は私がやるのかと思うと、かなり気が重い。
なんせ、総会の資料は、開催の半年くらい前からじっくり時間を掛けて作るらしいのだ。
それでも、課長が私を見込んで選んでくれたのだから、やらないわけにはいかない。
いつもたいてい定時ジャストで帰る麻里ちゃんは、私から社長とのことを聞き出すためか、ロッカールームで待ち構えていた。
そんな彼女を伴ない、私のアパートへと帰る。
途中で買ってきたLサイズのピザが、今日の私たちの晩ご飯だ。
テーブルにピザの箱をドンと置き、ふたを開いて食べる準備を整える。
「朝から奈知と社長のことが気になって、仕事どころじゃなかったんだから」
麻里ちゃんは、待ってましたとばかりに聞く体勢に入る。