冷徹社長が溺愛キス!?

「専務がお願いしていたんですね」

「そうなの」


秘書とひとこと交わすと、私に向かってにっこりと微笑んだ。


「花は、見ているだけで女性ホルモンが分泌されるんですって」

「そうなんですか?」


それは知らなかった。


「私の歳になると、強制的に女性ホルモンを出すようにしないと出ないのよね」

「そんなことは全然ないです! 三木専務はいつもお綺麗で、私の憧れなんです」


全力で否定する。
三木専務から女性ホルモンが出ていないのだとしたら、私はそのホルモンの存在すら危うい。


「雨宮さんみたいに可愛らしい方から言われると嬉しいわ」


可愛らしいなんて、私のほうこそ恐縮してしまう。
恥ずかしさに顔が熱くなった。


「それから、昨日の朝はありがとうございました」

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