冷徹社長が溺愛キス!?
バスで配られたマップを広げてみると、尾根コース、稜線コース、滝めぐりコースと、何種類かのコースが色づけされていた。
「山頂で昼食を取ったら、各自で下山してください。集合はこの場所に午後三時でーす。遭難はないと思いますが、何かあったらコースマップに書いてある電話番号に連絡してください。恐らくですが、携帯の電波は通じるかと思います。では、一号車の方たちから写真を撮りますので集合してくださーい」
幹事は大きく右手を振り上げて、集まるよう指示をした。
私たち総務部は六号車に乗車してきたので、ほかのメンバーと撮影ポイントの近くで待機することにした。
一号車はそうそうたるメンバーだ。
社長以下取締役とその秘書たち。
三木専務は、ドット柄が可愛いピンクのジャケットを羽織り、グレーのショートパンツを履いていた。
カジュアルな格好をしても美しさが損なわれないのはさすがだ。
ついうっとりしてしまう。
その隣には速水社長だ。
青空のようなブルーのジャケットにベージュのパンツ。
スーツを着ているときとは随分と雰囲気が違う。
ワイルドに見える彼を見て、女子の間から『キャッ、かっこいい』という黄色い歓声が上がった。
社長が前列のセンターに座り、その周りをほかの取締役や秘書が囲んで撮影が終了。