冷徹社長が溺愛キス!?
「いやぁ、可愛いねぇ。ポワーンとしていて、それでいてシュッとしている」
“ポワーンとしてシュッと”?
「久万さんのたとえは、相変わらず訳が分かんないな」
「ハハッ、そうかい?」
久万さんは頭を掻いた。
「しかし、純ちゃんも相変わらずだねぇ。好きな子をいじめるなんて小学生みたいなことは早く卒業したほうがいいよ」
「――だ、誰が誰を好きだって?」
「おや、違うのかい?」
「勘弁してくれ」
社長は髪の毛を掻きむしりながら言うと、「ほんとどうなってんだよ」と小さくブツブツと続けた。
ふたりのあまりにもアップテンポの会話に、私ひとりがポカン。
すっかり乗り遅れてしまった。
「さて、そろそろ行こうか。ところで、朝は食べたのか?」
「いえ、食料は尽きました」
「そうかそうか。ちょうどよかったよ。今、うちのカミさんが準備してるところだ。四人で朝食といこうかね」