冷徹社長が溺愛キス!?

◇◇◇

私たちが車に乗せてもらってから十分ほど経った頃だった。
久万さんはハンドルを左に旋回させると、ロッジ風の建物の前に車を停車させた。


「はい、着いたよ」


促されるままに降り立つ。
それは、大きな丸太で組まれたようなログハウスだった。

目の前の建物を見上げていると、社長が「久万さんの別荘だ」と教えてくれた。

別荘なんて持っているんだ。すごいなぁ。

そんなことを考えながら、ふたりに続いて玄関へ続く階段を上った。


「連れて来たよ」


久万さんの声に「はーい」と声がしたかと思ったら、奥からエプロン姿の女性が現れた。

ふくよかで小柄。
福笑いの顔に良く似ている。
歳はたぶん、久万さんと同年代だろう。
大きな目元に穏やかな笑みを浮かべた、第一印象のとてもいい女性だった。


「おはようございます」


社長と揃って頭を下げる。

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