冷徹社長が溺愛キス!?
「そうだよ、なっちゃん。遠慮しないで、たくさん食べていきな」
私の向かいの椅子に座った久万さんまで、社長を真似て私にパンの入ったカゴを滑らせる。
迎えに来てくれた久万さんの好意は無下にはできない。
「は、はい……」
一応返事はしたけれど、さすがにその量は……。
ざっと見ただけでパンが五つも盛られている。
どうしたものかと呆気に取られていると、恨めしいことに私のお腹が「グゥ」と大きな音を立てた。
「ほーれ、言わんこっちゃない」
意地悪な笑みを浮かべる社長と、豪快に笑い出す久万さん夫妻。
私のお腹は、どうしてこうもバッドタイミングばかりを選んで鳴るんだろうか。
一度ならず二度までも空腹でグウグウ鳴らすなんて、穴があったら入りたい。
社長はニヤニヤしながら、大皿に盛られたサラダを取り分け始めた。
「なっちゃん、それも食べてね」
福子さんが目玉焼きとウインナーの皿を手で指す。