冷徹社長が溺愛キス!?
「ありがとうございます」
「じゃんじゃん食べろ」
デザートのリンゴとオレンジまで山盛りだ。
「いただきます……」
三人の視線を一身に浴びながら、ミルクパンを手に取る。
そんなに見られていると、ちょっと食べにくいな……。
視線を手元に落として、小さくかぶりつく。
――ん! なに、このふわふわ!
口にした途端、ほんのりとミルクの甘い香りが鼻から抜けていく。
「美味しい……」
感想が、ポツリと自然に口から出た。
「だろ? 福子さんのパンは天下一品なんだ」
それは納得。
二十七年生きてきて、こんなに美味しいパンは初めて。
「やぁねぇ、純ちゃん。お世辞がうまいんだから」