アメトムチ。
「待って」
「えっ」
「また会おうよ」
「それは・・・できません」
「なんで」
「ここには住んでないから」
「じゃあどこに住んでるんだ?」という彼の問いには答えない。

だって、もうこれで・・・。

「これで最後にしましょう。さよなら」

私は、顔に精一杯の笑みを浮かべると、やんわりと彼の手から逃れて、一度も振り返ることなく、タクシー乗り場までスタスタと歩いた。

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