アメトムチ。
もう、何言ってんのよこの人は!
手のひらがすごく汗ばんでしまったじゃないの!

私は、涼しい顔して運転している隣の彼をジトッと睨んだ。
今の私は、何でもこの人のせいにしてしまいたい気分だ。

「いきなり体から繋がるんじゃなくてさ、少しずつ互いのこと知っていってさ。俺のことどんどん好きになってよ」
「う・・・」

なんか、今の局長のセリフは、何気に自信家なところが出てたけど、でもすごく・・・良かった。
ロマンチックだなって思った。
やっぱりこの人、実はいい人なのかもしれない。
少なくとも悪い人じゃあないし、素性だって大体知ってるし。
これから、この人の車の助手席に座ることが特別で、それでいて日常的なことになるのかもしれないと思うと、また胸がドキドキしてきて・・・。

嬉しい、かも。

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