アメトムチ。
「それで?性別分かった?」
「うん。男の子だって」
「あぁそう!じゃあこの子と同じだ」と言いながら、そっとおなかをなでるより子は、私と同じ妊婦さんだ。
より子の方が私より2週間早く妊娠したので、より子夫妻はすでに、おなかの赤ちゃんの性別が分かっていた。

「赤ちゃん同士同級生になるし。嬉しいね」
「ホントー」

恋愛はしていても、結婚するなんて全然ほのめかしてなかったより子が、まさか授かり婚で突然退職するなんて。
全然そんなこと思ってもなかった私は、正直ビックリした。
しかも相手が“あの人”って・・・ホント、ビックリ。
ののさんは、二人がつき合ってたことを知ってたというか・・二人がつき合う前から惹かれ合ってることを見抜いていた、数少ない人だ。

そして、より子たちは結婚を機に、なんと!私たちのマンションの隣室に引っ越してきたのだ!
これは私もすごく嬉しかった。

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