飛梅ちゃん
少女は、賢人に抱きつくように取り付き腕を背中に回す。
そして、あいが掴んだままのナイフを無理矢理抜くと、傷に指を入れ始めた。

「ぎゃあぁぁ~‼痛い!」

賢人は絶叫しながら体を大きく揺らす。

少女は、あいの顔を見ながらグリグリと手首まで賢人の中に入れてニヤニヤしている。

あいの顔に賢人の血飛沫が飛ぶ。

賢人は逃げようとうつ伏せになり、あいにすがり付く。

「助けてくれぇぇ~‼」

少女は、大笑いしながら賢人の背中に乗り言う。

「助けてあげる。」

そう言ったあと、少女は肘まで賢人の中に入れる。

ニヤリと右の口の端をあげると言った。

「みぃ~つけた。」

少女は素早く腕を引き抜くと、血に濡れた手には黒い靄を持っていた。

「甘そう…」

少女はそう言うと手に持つ靄を舐めた。

目を見開いて笑顔を作る。

賢人は、あいを見つめながら小さな声をあげて動きが止まった。

「賢人…」

あいは賢人の狂気の表情を見ながら、賢人の顔を触ろうとする。

少女が呟く。

「次は、お姉ちゃん…」




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