☆キラキラ星☆
夏の澄んだ夜に、彼の透き通った声が私の壊れた心にすぅーっと入ってきた。
さっき全部トイレに吐き出した感情が戻って来た気がした…。
歌い終わった彼は、私を心配そうに覗き込む。
暗いとはいえ、至近距離で見られれば顔が腫れてしまっているのがバレてしまう。
そっと顔を逸らす。
「…伊織…」
「伊織…」
彼は優しく汚れた私の体を抱きしめた…。
「大丈夫…」
「大丈夫…だよ…。」
奏多くんも私の異変に気づいたのか、大丈夫っと繰り返しながら、きつく抱き締めて離さなかった。