☆キラキラ星☆
それから、何時間待っただろうか。
体はかじかみ、歯と歯がぶつかりカチカチと鳴っていた。
まだ、母親が帰ってくる様子はない。
「寒い…よ…。」
すると、遠くから…
「伊織っ!」
っと驚いた様な、怒った様な声が聞こえた。
振り向かなくでもわかってしまうんだ。
彼の名前を小さく呼ぶと、心の中がふわりと温かくなった
「伊織!!」
お願い!来ないで!
こんな惨めな私を見ないで!っと心の中で思っても、
彼はドンドン距離を縮めてきた。
「伊織。」
私の名前を呼ぶと、ギュッと抱きしめられた。
「…奏多く…ん」
私は、彼の名前を呼ぶと、意識を手放した。