いつかそんな日がくればいい。【短】
それなのに、彼女の涙はそれとは全く対照的で、
避けたいどころか側にいたくて、
支えてやりたくて。
彼女を悲しませる全てのことから俺が守ってやりたい…なんて。
そう思う自分が、おこがましいとは思っていても、情けないとは思わなくて。
まるで、彼女の為ならヒーローにでもなれるんじゃないかと思うような高揚感が、俺を支配していく。
こんな気持ち…初めてだ…。
物凄いスピードで刻まれている鼓動は、最早どちらのものかなんて分からないけど…
どっちでも…いいや。
ただ俺は、白田さんが好きだ。
「白田さん、あのさ…」
「…っはいっ」
「初恋は実らないって言うけれど、
それなら、二度目の恋はどうなんだろうね?」
「え?」
白田さんの身体を少し離すと、俺は彼女の瞳を覗き込んだ。
「試してみる?」
色素の薄い茶色の瞳。
その大きな瞳から大粒の涙が、一粒零れ落ちる。
「俺と一緒に二度目の恋、してみる?」