Clean up ~気持ちは片付きません!

私たちは4人がけのテーブルに腰掛けると、さっそく亜依からの質問攻めが始まる。


「亮汰さんは、おいくつなんですか?」

「28だけど」

「じゃぁ私より5つ年上ですね~。ご自宅はどの辺なんですか?」

「3駅隣の代々谷駅ってとこ」

「わぁ!うち、その隣駅です☆今度、遊びに行っても良いですかぁ?」

「そうだね、そのうちね」

「やった!」


…完全にロックオン状態の亜依をよそに私はテーブルに運ばれてきたハンバーグを口に入れる。



でも、亜依がいてくれて良かった。

もし2人きりだったらとてもじゃないけど耐えられないと思う。



「あの、沙奈さんはお仕事忙しいんですか?」

「えっ…?」

急に話を振ってくるもんだから、ハンバーグが刺さったフォークを口元に運ぶ最中で手が止まる。

「いや、あの時間にラウンジで休憩していたので、早朝から頑張ってお仕事しているのかなって思って」

「いやっ、そんなこと―」

「沙奈ってば昨日、彼氏とデートだからって今日の会議資料つくらないで帰っちゃったんですよ~。で、先輩に呼び出しくらってたんです」

私の言葉を遮るように、亜依が話してきた。


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