Clean up ~気持ちは片付きません!
「ほれ」
駐輪場につくと、ヘルメットを無造作に渡される。
この、いつでも2人乗りが出来るようヘルメットを常備しているところは、いつでも女の人を乗せられるようにしてるんだな。と半ば関心してしまう。
「とりあえず南四橋駅のほうな」
「…おねがい、します」
私は大人しくヘルメットを被ると、バイクの後部座席へと座る。
「ちゃんとつかまって、腕はここ、運転中は出来るだけ俺に体の動きを合わせて」
「は…い///」
わわっ、私、すっごいドキドキしてる!
さっきおんぶしてもらったばかりだってのに、
この背中に抱き着くのめっちゃ勇気いるんですけど!!
私は高鳴る胸を抑えきれぬまま、亮汰の腰へと手を回した。
バイクに乗るのはこれが初めて。
まさかこんな展開でこんな奴と乗ることになるとは…
でも、男の人の大きな背中は温かくて安心する。
この感覚、すごく久しぶりだ…
私はそっと目を閉じると、不思議とガチガチに緊張していた肩の力を抜くことが出来た。
エンジンの振動でこの胸のドキドキ、気づかれてないと良いな。