Clean up ~気持ちは片付きません!
正午の散らかし時間
午前中のミーティングは見事に玉砕こっぱみじん。
資料こそギリギリ間に合ったものの、ミーティングの内容が全く話が耳に入らず質疑に上手く答えられなかった。
おかげで真乃先輩には怒られまくるし、本当に最悪。
それもこれも、今朝のあいつのせいだ…。
「沙奈!聞いた聞いた!?」
「えっ…なに?」
お昼休み。
ランチに向かうエレベーターに乗り込むと、同期の亜依(あい)が元気よく話しかけてくる。
「新しい清掃員の話!!すっごいイケメンなんだって!」
「へ、へぇ~」
知ってるもなにも、今日そいつに唇を奪われましたよ。
…なんてことは口が裂けても言えない。
「私まだ見てないんだよね、めっちゃ気になるっ!」
「亜依はイケメンに目がないもんね」
「イケメンは目の保養だよ~!仕事の疲れも吹っ飛ぶ!!」
「そっ、よかったね」
…とそのとき、地上へ向かうエレベーターが途中階でとまり、ドアが開く。
「あっ…」
今朝のやつ…!
途中階から乗ってきたのは他でもない、永山 亮汰だ…