オレ、教師。キミ、生徒。
「急にって言われてもな。由茉と約束してたの俺なんだよ。だからこの手、離してくんねぇ?」

俺は俺の胸ぐらを掴んでいる男の手をペチペチと叩いた。

「あ!?ざけんなっ!!」

俺の態度に怒りを露にした男が怒鳴りながら拳を振り上げる。

どうやら殴るつもりらしい。

「先生っ!」

俺は、頬に当たる寸前、バシィ……ン、とその拳を手のひらで受け止めた。

「ぐっ……」

その手を、そのまま捻り挙げる。

「ぐぁっ!」

苦痛に歪む顔。
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