オレ、教師。キミ、生徒。
「いや、逆に教師に気を使うべきなんじゃないのか?」

「……そうですか?」

「そうですね」

それでも納得行かない、みたいな顔をしている。

「良いじゃないですか。どうせ、もうすぐ卒業なんですから」

舘野に言われて、ズキン……と俺の心臓が痛む。

舘野は、無事に志望大学に合格した。

元々、新入生代表の挨拶をする位頭が良かったから、受験は楽勝だっただろう。

彼氏と別れた、と聞いた時に、成績が落ちるんじゃないかと心配になったけど、それも杞憂に終わった。
< 33 / 58 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop