オレ、教師。キミ、生徒。
「由茉ー!早く帰ろうぜー!」
突然聞こえて来た館野を呼ぶその声に、俺は現実に引き戻された。
声の方を見ると、手をブンブン振りながら館野を呼ぶ彼氏――横沢知樹の姿。
「はーい!今行くー!……先生、さようなら。それ、溶けない内に食べて下さいね」
「お、おう。ありがとう。気を付けてな」
「はい。さようなら」
ペコッと頭を下げ、舘野が嬉しそうに横沢の元へ走って行く。
その後ろ姿を見て、さっきまで高鳴っていた俺の心臓が今度はズキズキと痛み出した。
本当はその腕を掴んで、行くな、と言いたい。
でも、当たり前だけどそんな事は出来ないから、ただただ館野が走って行く姿を眺めるだけだった。
横沢の元へ辿り着いた舘野は、横沢の腕にしがみ付いて頬を赤く染めている様に思えた。
赤く染まり始めた夕陽のせいでそう見えたのかもしれないけど。
俺は、ギュッ……と拳を握り、舘野達とは反対方向の職員室へと歩き出した。
突然聞こえて来た館野を呼ぶその声に、俺は現実に引き戻された。
声の方を見ると、手をブンブン振りながら館野を呼ぶ彼氏――横沢知樹の姿。
「はーい!今行くー!……先生、さようなら。それ、溶けない内に食べて下さいね」
「お、おう。ありがとう。気を付けてな」
「はい。さようなら」
ペコッと頭を下げ、舘野が嬉しそうに横沢の元へ走って行く。
その後ろ姿を見て、さっきまで高鳴っていた俺の心臓が今度はズキズキと痛み出した。
本当はその腕を掴んで、行くな、と言いたい。
でも、当たり前だけどそんな事は出来ないから、ただただ館野が走って行く姿を眺めるだけだった。
横沢の元へ辿り着いた舘野は、横沢の腕にしがみ付いて頬を赤く染めている様に思えた。
赤く染まり始めた夕陽のせいでそう見えたのかもしれないけど。
俺は、ギュッ……と拳を握り、舘野達とは反対方向の職員室へと歩き出した。