そろそろ、恋始めませんか?~優しい元カレと社内恋愛~
「ちょっと、いいかな」

今度こそ、一人で帰ろう。
そう思った矢先、帰えりがけに長井に声をかけられた。


「またあ?今日は、どうしたっていうの?」

1日のうちに何度、私のこと引きとめたら気がすむのだ?


「ああ、やっぱり気になって……
どうも、家に帰ってもすっきりしないだろうなと思って」

と、いかにも、何かが気になって仕方がないって顔だ。



「今日、課長に言われたこと?」
仕事がらみなら、
そういわれたら仕方ないけど、プライベートなら勘弁してよ。


「ええっ?いや、そのことじゃないけど」
何のこと?と問いただしても、
この場所じゃ言えないの一点張りでらちが明かない。

私は、諦めて長井に付き合うことにした。


「いいよ。どうせ、金曜日だし。紗和は用事があるみたいだから、私も暇だし」


「そうか……亜湖は、紗和と仲いいんだよな」


「うん」


「いつもの場所でいい?」


「いいよ」

思えば、こんな風に長井の誘いを、
気軽に受けたことが間違いのもとだったのだ。


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