そろそろ、恋始めませんか?~優しい元カレと社内恋愛~

「いいじゃん。酔って話せるってこともあるし、君と話せるのも、滅多にない機会なんだし」

どうしよう。
仕事で関わる人だから、きっぱり断って気まずくさせたらどうしよう。


「えっと、今日は疲れてるし、今度また……」


「大丈夫だって。行こう?」
強引に腕を組まれた。


「太田さん、ちょっと待って。どこに行くんですか?」

今度は、みんなと反対の方向に引っ張られてる。



この距離じゃ、誰かに助けを求めても聞こえない。


「ねえ、ほんとに。今日は止めておきましょう?」


「やっぱ、緑川さんだって、俺じゃなくて長井だったら行くんだろ?いつも長井となら打ち合わせするくせに。酷くないか?
こっちから、何度もアポ取ろうって言ってきてるのに。君って、どんだけ上から目線なんだよ」


「太田さん?」怒ってるの?


「さあ、来いよ」
腕をぐいっと引っ張られた。

どうしよう、こういう時って腕を振りほどいてもいいのかな。
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