お嬢様、「おやすみなさい」の時間です。
人の傷は、他人が推し測れるものではありません。
喜びの感じ方が人それぞれ違うように、悲しみの感じ方も人それぞれ違うのです。
一つの物語に100人が涙を流すわけではありません。
一つの歌に10人が共感するわけではありません。
どんな小さな出来事も、その人にとっては涙が出るほど苦しいことがあるのです。
「わかって」あげることは難しい。
しかし「知って」「認めて」あげることはしてほしい。
「わかって」ほしいわけではないのです。
ただ苦しんでいることを「知って」「認めて」ほしいだけなのです。
そうでなければ私はいつまでも「うそつき」になってしまいます。
「うそつき」と呼ばれる毎日はそれはそれは苦しいのです。
まるで首を真綿で包んで息の根を止められそうになっているような。
そんな地の果てに呼吸を奪われそうな気分。
涙が出るから大丈夫なんて言わないで。
私、そんなに強くないのよ。