現代妖怪会談
犬神が手をひとつ叩くと言った。
「雪女とか、一本ダタラは地方で有名処と言って良いんじゃないが?」
キツネが鼻を掻きながら言う。
「雪女は知らないけど、一本ダタラは大台ヶ原で有名ですな。」
タヌキが体を起こしながら言う。
「ちょっと待て!一本ダタラは、足腰が弱ってほとんど活動してないけど?」
キツネがタヌキを見ながら言う。
「あれ?そうなんですか?」
タヌキが座り直すと言う。
「お前ら知らんのかいな?一本ダタラが怖くて山に入る人間が減って、信じる人間が減ってから、一本ダタラの体もかなり弱ってるって聞いたんやけど。」
犬神がタヌキに聞く。
「雪女の情報はないのかや?」
タヌキは言う。
「雪女は聞いたことないわ。」
キツネがお腹をさすりながら言う。
「お腹が減りませんか?」
タヌキが言う。
「結構、前から減ってるで?」
犬神がほっぺたを膨らましてから言う。
「ワシは、そこまで減ってないがじゃ。」
キツネは、立ち上がるとお堂の奥にある多聞天の仏像の方へ歩いて行く。
仏像の後ろに上半身を突っ込むと、ゴソゴソしたあと一つの大きな風呂敷包みを取り出してきた。
キツネは、風呂敷を両手で持ちながら歩いてタヌキと犬神の前に置いた。
タヌキが風呂敷を見ながら言う。
「なんなんや?」
キツネは、風呂敷の結び目をほどきながら言う。
「猫又の若い女の子達が作ったおにぎりです。」
犬神が風呂敷が開かれるのをジッと見ながら言う。
「猫又やが?」
タヌキがキツネを見ながら言う。
「火車とちゃうやろな?」
キツネは、笑いながら言う。
「ハッハッハ…いやいや、火車にはまだなってない若い女の子達ですよ。」
キツネが包みを開けると、ゴロゴロとおにぎりの山が表れ、それを見て犬神が言う。
「あの柔らかい肉球で握ったって聞いたら、興奮する輩もいるかも知れんがじゃ。」
タヌキが包みの中にあった、ラップに包まれているおにぎりを手に取り言った。
「興奮するような若くて力強い妖怪は、おらんもんかね?しかし、若い妖怪ならラップというのはテンションが下がるんと違うか?」
キツネもおにぎりのラップを開けながら言う。
「やっぱり、素手でにぎるからこそ伝わるモノもありますよね。」
犬神は、無言でおにぎりを食べる。
タヌキが二つ目のおにぎりを頬張りながら言う。
「鮭が上手い。」
「雪女とか、一本ダタラは地方で有名処と言って良いんじゃないが?」
キツネが鼻を掻きながら言う。
「雪女は知らないけど、一本ダタラは大台ヶ原で有名ですな。」
タヌキが体を起こしながら言う。
「ちょっと待て!一本ダタラは、足腰が弱ってほとんど活動してないけど?」
キツネがタヌキを見ながら言う。
「あれ?そうなんですか?」
タヌキが座り直すと言う。
「お前ら知らんのかいな?一本ダタラが怖くて山に入る人間が減って、信じる人間が減ってから、一本ダタラの体もかなり弱ってるって聞いたんやけど。」
犬神がタヌキに聞く。
「雪女の情報はないのかや?」
タヌキは言う。
「雪女は聞いたことないわ。」
キツネがお腹をさすりながら言う。
「お腹が減りませんか?」
タヌキが言う。
「結構、前から減ってるで?」
犬神がほっぺたを膨らましてから言う。
「ワシは、そこまで減ってないがじゃ。」
キツネは、立ち上がるとお堂の奥にある多聞天の仏像の方へ歩いて行く。
仏像の後ろに上半身を突っ込むと、ゴソゴソしたあと一つの大きな風呂敷包みを取り出してきた。
キツネは、風呂敷を両手で持ちながら歩いてタヌキと犬神の前に置いた。
タヌキが風呂敷を見ながら言う。
「なんなんや?」
キツネは、風呂敷の結び目をほどきながら言う。
「猫又の若い女の子達が作ったおにぎりです。」
犬神が風呂敷が開かれるのをジッと見ながら言う。
「猫又やが?」
タヌキがキツネを見ながら言う。
「火車とちゃうやろな?」
キツネは、笑いながら言う。
「ハッハッハ…いやいや、火車にはまだなってない若い女の子達ですよ。」
キツネが包みを開けると、ゴロゴロとおにぎりの山が表れ、それを見て犬神が言う。
「あの柔らかい肉球で握ったって聞いたら、興奮する輩もいるかも知れんがじゃ。」
タヌキが包みの中にあった、ラップに包まれているおにぎりを手に取り言った。
「興奮するような若くて力強い妖怪は、おらんもんかね?しかし、若い妖怪ならラップというのはテンションが下がるんと違うか?」
キツネもおにぎりのラップを開けながら言う。
「やっぱり、素手でにぎるからこそ伝わるモノもありますよね。」
犬神は、無言でおにぎりを食べる。
タヌキが二つ目のおにぎりを頬張りながら言う。
「鮭が上手い。」