現代妖怪会談
犬神が言う。

「怖がらせたら良いわけがじゃ?」

キツネが頷きながら答える。

「基本は、そういうことになりますね。」

タヌキがキツネを指差しながら言う。

「それでや!人間の怖いモノに化けるってのはどうやろか?」

キツネが眉間の辺りを掻きながら言う。

「人間の怖いモノ…人間の怖いモノ…」

犬神が言う。

「まれに注射器が怖いって言う人間がおるがじゃ。」

キツネが更に言う。

「それなら歯医者が怖いってのも聞きますね。」

タヌキも参戦して言う。

「手術も怖いって聞くで?」

犬神が言う。

「エコロギーってのも怖いって聞くが?」

キツネが聞く。

「エコロギー?」

犬神がキツネの方に向き直って言う。

「犬エコロギーとか、猫エコロギー、小麦粉エコロギーってのもあるらしい。里に降りた時に聞いたじゃ。」

キツネが言う。

「それは、アレルギーってやつじゃないでしょうか?」

タヌキが犬神をバカにしたように言う。

「アレルギーと間違ってたんか?エコロギーって南方熊楠が言った、今のエコロジーのことやろ?」

キツネが笑いを堪えながら言う。

「そうです…ククク…」

タヌキがキツネを見ながら言う。

「このままじゃ、ほんまに犬エコロギーになってまうわ!」

キツネは大笑い。

タヌキは自分が言ったから笑うのを我慢している。

犬神は、そんなに面白いのだろうか?と苦笑いしていた。



< 6 / 18 >

この作品をシェア

pagetop