健康診断の甘い罠
次の日の朝、温かいぬくもりに包まれて気持ちいいと思いながら目を開いた。
私の身体に巻きついた腕に気付いて、昨日の事を思い出す。
ずっと抱きしめてくれてたんだと思ったら、ちょっと嬉しくなって頬が緩む。
和弥くんの腕の中、本当に気持ち良い。なんでこんなに落ち着くんだろう。
顔を上げるとまだ眠っている和弥くんの顔が目に入ってドキッとする。
寝顔、初めて見た。眠ってる姿がすごく無防備に見えて、ちょっとかわいいと思ってしまう。
つい触りたくなってしまって頬に触れると和弥くんが目を開いてニヤッと笑った。
ビックリして離れようとした私の手を和弥くんが引っ張った。
「きゃっ!」
手を引っ張られてバランスを崩して和弥くんの上に倒れこんだ私は慌てて離れようとするけど背中に和弥くんの腕が回ってそれはできなかった。