健康診断の甘い罠
体重をかけないように和弥くんの顔の横に手をつく。
なんか、この体勢って私が和弥くんのこと押し倒してるみたいですごく恥ずかしい。
枕元に置いてあった眼鏡をかけた和弥くんが私を見る。
「おはよう、千紗」
寝起きとは思えないほど爽やかにニコッと笑った和弥くんにそう言われて私は目を丸くした。
「お、おはよう。起きてたの?」
そう言った私の髪を和弥くんが微笑んで耳にかける。
「ちょっと前にね。かわいかったよ、千紗の寝顔」
そう言われて顔が熱くなるのが自分でも分かった。寝たふりするなんて、やっぱり和弥くんて油断ならない。
赤くなった私を見て和弥くんは目を細めて笑う。
「千紗、俺に触りたくなっちゃった?」
そう言われてますます真っ赤になる私を見て和弥くんは楽しそうに笑って指で頬を撫でた。