健康診断の甘い罠

「か、和弥くん、寝れなかった?」


話題を変えたいのと、前に寝付きが悪いって言ってたから心配なのとでそう聞くと和弥くんはクスクスと笑う。


「いや、すごい寝れた。千紗が俺専用抱き枕かなってくらい抱き心地よくて」


「だ、抱き枕って」


それってなんか恥ずかしいけど、ちょっと嬉しかったりもする。


「千紗も俺にくっついたまま離れなかったし。俺も千紗専用ってことで。ちょっと離せなくなりそう」


そう言われれば私もいつもよりぐっすり眠れた気がする。


和弥くんの腕の中、本当に気持ち良くてホッとできたから。


和弥くんも同じだったならそれは嬉しい。


「和弥くん、そろそろ起きようよ。今日は映画見に行こうって言ってたでしょ」


そう言って起き上がろうとするけど和弥くんががっちり私の身体を押さえていてそれはできない。


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