健康診断の甘い罠
「せっかくくっつけるようになったのに、もう少しこうしてたい気もする」
そう言われてちょっと困ってしまう。
確かにこんなに密着しても全然大丈夫なのは大きな進歩な気がする。
和弥くん限定だけど。
「あ、朝ごはん作るから食べようよ」
あんまりこうしてるのも心臓に悪いし。そう言うと和弥くんはやっと私を離してくれた。
「それはずるい。くっつきたいし、千紗の手料理も食べたいし」
そう言って和弥くんは何かを思いついたように私を見てニコッと笑った。
「あ、そうだ。朝ごはん作ってくれてる千紗にくっついてればいいんだ」
「え!?いや、それはちょっと。作りにくいし」
そう言いながらキッチンの方に向かうと和弥くんもついてきて、私のことを後ろから抱きしめる。