健康診断の甘い罠

「いや……めちゃくちゃかわいくてヤバイ、けど。ビックリした」


ビックリしてくれたなら、頑張ったかいがあるんだけど、あんまりじっと見られると恥ずかしくていたたまれない。


「俺のために、おしゃれしてくれたの?」


和弥くんにそう聞かれて私は素直に頷く。


「うん。ワンピース着れるようになるように、練習。先輩が服貸してくれて、昨日……先輩の家に服を借りに行ってたの」


そう言う私を和弥くんが抱きしめる。


和弥くんからいつもの香水の香りがして思わず和弥くんの胸に頬を擦り寄せてしまう。やっぱりこうしてもらうの好きだな。


「それ、すごい嬉しい。でも……かわいすぎて困った。一人占めしたいような、見せびらかしたいような。複雑な心境」


ぎゅうっと抱きしめられて、心臓がドキドキするけど私もこのままでいたいかもと思ってしまう。


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