健康診断の甘い罠

初めて入った和弥くんの家は、私の家よりずっと広くて綺麗でちょっとビックリする。


「すごい綺麗だね」


キョロキョロしながらそう言うとテーブルに飲み物を置いた和弥くんが苦笑いする。


「そりゃね。彼女が初めて家に来るんだもん掃除はするよね。まあ、元々物は少ないかも。あんまりそういうのに興味ないし」


そういえば服にも興味ないって言ってたな。確かにあんまり物は置いてない。


そう思っていると隣に座った和弥くんがニヤッと笑って私を見る。


「でも一回気に入ったものは一生手元に置いときたいと思うくらい執着するから」


その言葉にドキッとする私を見て、和弥くんが目を細めて笑った。それから私のことを引き寄せる。


「こっち来て、千紗」


そう言って和弥くんの足の間に座らされて後ろから抱きしめられる。


こ、これすごく恥ずかしいんですけど。


固まってしまった私に和弥くんが笑いながら後ろから顔を覗きこんでくる。


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