健康診断の甘い罠
ち、近い。それに何か、密着度が高いから和弥くんの体温がダイレクトに感じられてますますドキドキしてくる。
「顔、真っ赤。力入りすぎだし、寄りかかっていいよ」
髪に顔を埋めた和弥くんにそう言われるけど、そんな事言われてもドキドキしすぎてそんな事できそうにない。
「む、難しい」
そう言うと和弥くんはクスクスと笑うけど、ぎゅうっと抱きしめる力を強める。
頬にキスして和弥くんは楽しそうに笑う。
「今日は一日このままだよ。千紗は頑張り屋さんだからすぐ慣れるよ」
な、慣れる気がしないけど。和弥くんは、今までも他の女(ヒト)にこういうことしてきたんだろうか。
考えても仕方ないと思うのに、ついそんなことを考えてしまって小さく頭を振る。