健康診断の甘い罠
「ほんと、千紗は予想通りの反応するね。かわいい」
そう言った和弥くんが身体をずらして正面から私の顔を見る。
目を細めて私を見る和弥くんが、私の頬に触れて髪を耳にかける。
和弥くんの私を見る目がいつもと違って見えて、少し戸惑う。
なんか空気が、今までと違う気がする。
「俺も千紗とキスしたいんだけど、頑張れる?」
そう聞かれて私は目を丸くする。
キスって、髪とか額とか頬とか、もう当たり前のようにキスされてるけど。
「え、えっと……ど、どこに?」
そう聞くと和弥くんは苦笑いしながら私の唇を撫でた。
「俺のキスの意味は唇だけなんだけど。他はチュー」
そういえば、頬の時はチューって言ってた。
そう思う私の頬を和弥くんの手が包む。