健康診断の甘い罠

だけど嫌がってるわけじゃないと分かってる和弥くんがやめる気配はなく……今度はチュッと音をたてて顔中にチューしてる。


待ってるわけじゃないんだけど、なかなか唇には触れてこない和弥くんに焦らされてるような気持ちになる。


本当に、ドキドキしすぎて苦しくなってはあっと息を吐く。


それを狙っていたかのように、和弥くんが私の唇を塞いだ。


「んっ」


思わず声が漏れて、目を開くとじっと私を見ている和弥くんの吸い込まれそうなほどに澄んだ真っ黒な瞳と目が合った。


その目が細められて、和弥くんの唇が私の下唇を挟む。


感触を確かめるように舌で舐められてピクッと反応してしまう私に和弥くんが楽しそうに笑う。


「千紗の唇、柔らかくて気持ちいい」


そう呟かれて、和弥くんの漏らした吐息にまで反応してしまって、私は和弥くんの服をぎゅっと掴む。


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