健康診断の甘い罠
「和弥くん、だけかも。本当に平気なの」
こんな風に傍にいても落ち着くのは和弥くんだけだし。
きっとそれは、私が和弥くんを好きだからだと思う。
すごい勢いで気持ちが育ってるのを感じて、恋ってすごいなと思う。
仕事で男の人に接する分には支障はなくなってきたけど、絡まれるのは苦手だし。
「それはそれで嬉しいけどね。俺だけ特別ってことだもんね」
そう、和弥くんは私の特別だ。だけど、それは和弥くんが私との約束を守っていてくれるからで。
そんな和弥くんだから、信用できたし好きになれたのだと思う。
「和弥くんは、女の人信用できないって言ってたけど」
私の頬に顔を擦り寄せる和弥くんにそう聞いてみる。
「んー、今も信用してるのは千紗と歩ちゃんだけかな」
和弥くんの口から高倉さんの名前が出て、胸がズキッとした。