健康診断の甘い罠
和弥くんを、一人占めしたい……なんて。
和弥くんと唇を重ねながら思う。他の女(ヒト)の名前を呼ばないで、私だけを見ていて。
こうしてる間は、私の事だけ考えていてくれるかな。
「……他の人にもこうやってキスしたの?」
そう聞いた私に、和弥くんはちょっと困ったように微笑む。
「しないよ。もうずっとキスはしてない。初めてとは言えないけど、こんなにキスしたいと思ったのは千紗が初めてだよ」
和弥くんがそう言って唇を重ねる。
思わず和弥くんの服を掴むと、目を開いて唇を離した和弥くんがじっと私を見る。
「もう千紗としかしないから、そんな顔しないでよ」
そう言われても、自分がどんな顔してるのか分からなくて困ってしまう。
「どんな顔してる?」
そう聞くと和弥くんは眉を下げて私の頬を撫でる。
「泣きそうな顔、かな。好きだよ、いっぱいキスしよう千紗。ぎゅってして?」
そう言われて私は和弥くんの背中に手を回して和弥くんの身体を抱きしめる。