健康診断の甘い罠
「学生時代はずっとそんな感じだったかな。年上の社会人のお姉さんのセフレというかペットみたいな感じで。ほとんど家には帰ってなかった」
その年上のお姉さん達にも本命の彼氏がいたみたいで、それなのに自分とそういう事をする女の人をやっぱり信じられないと和弥くんは思っていたらしい。
「自分も利用してたくせに勝手な話だけどね。そんな人ばっかり選んでたくせに、心のどこかでは自分だけを好きになってくれる人を求めてたのかな」
そう言われて私は首を傾げる。
「でも、和弥くんモテるよね?」
和弥くんのこと、好きだった人いっぱいいたと思うけど。
そんな私の言葉に和弥くんは苦笑いをする。
「まあ、モテたね。でもね、好きって言われても俺のどこを好きなのか分かんなくて。俺、自分の事嫌いだったから。俺の事相手にしてくれてたお姉さん達も、顔が良かったからだと思うし」
そういえば自分の最大の長所は顔だと思ってるって言ってたな。