健康診断の甘い罠
最近、妊娠したことを教えてくれてすごく幸せそうで私まで幸せな気持ちになった。
そんな高倉さんに、こんな気持ちを抱いてしまうなんて本当に自分が嫌になる。
大好きな先輩なのに……。
最近いつもこの事ばかり考えてしまって、胸が痛くて苦しくなる。
ため息をついておにぎりにパクつく私を一ノ瀬さんがじっと見てる。
「千紗ちゃん、何か元気ない?心なしかおにぎりが小さい気がするし」
おにぎりの大きさってもしかして私の元気のバロメーターなのかな。
そう言われて私は一ノ瀬さんを見つめて、ハアッとため息をついた。
「一ノ瀬さん……私、嫌な女なんです」
そう言う私に一ノ瀬さんが目を見開く。
「え?何、どうしたの?」
シュンとする私に一ノ瀬さんが心配そうな顔をする。
優しいな、一ノ瀬さん。一ノ瀬さんの事も大好きだ。