健康診断の甘い罠

「千紗ちゃん、本当に結城さんの事好きなんだね。最近、すごく綺麗になったし」


そう言われて少し照れながら頷く私に一ノ瀬さんが苦笑いする。


「もう、千紗ちゃんかわいい。高倉さんじゃないけど結城さんにはもったいないくらいだよね。でも気になるなら……聞いてみるといいよ」


励ますように軽く背中を叩かれて私は頷くけど、やっぱり怖いな。面倒くさいって思われたらどうしよう。


和弥くんに嫌われるの、すごく怖い。


「千紗ちゃんが嫉妬してるって分かったらすごく喜びそうだけどね、結城さん」


一ノ瀬さんはそう言って笑うけど、そうかなぁ。


そう思いながら最後の一口のおにぎりを口にいれた私の携帯が震える。


「結城さんじゃない?」


そう言われて携帯を見ると、それは確かに和弥くんからで少し外に出てこれるかというメールだった。


「そうです」


そう言うと一ノ瀬さんがニコニコと笑って私を見る。


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