健康診断の甘い罠
「ナンパじゃないし」
面倒くさそうな顔でそう答えた和弥くんが私をその人達から隠すように身体をずらした。
「ほんとですか?看護師さん、結城さん遊び人なんで気を付けた方がいいですよー」
「っていうか結城さん、こないだからご飯行こうって誘ってるのに、全然つれないですけど。もしかして、その子彼女?」
な、なんかすごい押しが強い。私とは全然タイプが違いそうな子達だ。絶対に友達にはなれなそう。
「うるさいな。お前らの誘いなんか受けたことないし。俺、ケバい女嫌いなんだよ」
う、うわ。和弥くんすごい怖い顔でキツイこと言ってる。
なのに全然気にした様子もなく二人ともケラケラ笑ってるし。
「ひどーい、結城さん」
「でもかっこいいから許す」
そう言ってその人達は離れて行ってちょっとホッとする。なんか、理解不能な感じの人達だった。