健康診断の甘い罠

「自信もって大丈夫だよ。俺が言うのも何だけど、あいつは山口さんが思ってるよりずっと山口さんの事好きだから。山口さんが、あいつの事変えたんだからさ。だけど、あいつが何かして山口さんの事泣かすような事したらその時はいつでも相談においで。俺も歩も山口さんの味方だからね」


そう言われてジーンとしてしまって、私は涙を拭いながら微笑んで頷いた。


高倉さんの旦那さん、優しくてあったかい人だな。こんなお父さんがいたら、幸せだったろうな。


私、頼れる人がたくさんできた。それが嬉しくて、心がポカポカあったかくなる。


「ごめんね、仕事中に。時間とらせちゃって」


そう言って微笑んだ高倉さんの旦那さんが椅子から立ち上がる。


「い、いえ。こちらこそすいません。次は身長体重です」


慌てて立ち上がった私を見て、笑った旦那さんはドアに手をかける。


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