健康診断の甘い罠
「じゃあ、ありがとう。また家に遊びに来てね。結城とでも、結城なしでもいいから。本当にいつでもおいで」
「はい、本当にありがとうございます」
高倉さんと一緒で、旦那さんの笑顔もすごく安心するな。
旦那さんが出ていって、私は深呼吸をして次のお客さんを呼ぶべく廊下に顔を出した。
「次の方どうぞ」
とりあえず今は、目の前にある仕事を頑張ろう。
心は決まった。あとは和弥くんに伝えるだけだ。
ちゃんと伝えられるか自信ないけど、それでも伝えなきゃ。
嫌われるのは怖いけど、行動しなきゃ何も変わらないんだから。
和弥くんの事が好きだからこそ、頑張らないと。
そう気合いを入れつつ、私はお客さんに検査の説明を始めた。