健康診断の甘い罠

「千紗、俺が千紗のこと本気で好きなの伝わってなかった?こんなに好きになったの、千紗が初めてなんだよ。歩ちゃんは俺の大好きな先輩の奥さんなんだから。歩ちゃんのことで不安になる必要ないから」


そう言われて嬉しいと思うし、ホッとするけど、気恥ずかしくてぎゅっと身体に力をいれてしまう。


「千紗、こないだうちに来た時……歩ちゃんとか俺が遊んできた相手の事で不安で仕方なくて俺に抱かれてもいいって思ったでしょ」


そう言われてビクッとする。高倉さんの事とか、他の女の人に嫉妬してそう思ってしまったけど、そんなことまで分かってたなんて。


「……和弥くんて、ほんとやだ」


恥ずかしくてたまらなくてそう言うと和弥くんが小さく笑う。


「ごめん。でも嬉しかったんだよ。千紗がちゃんと俺の事好きになってくれてるんだなって、分かったから。もっと好きになって欲しくて……少し歩ちゃんとの事も利用しようかなって、わざとあの日は思わせ振りな事言ったの」


そう言われて、私はショックを受けた。


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