健康診断の甘い罠
「もう、かわいい。結城さんを振り回せるなんて千紗ちゃんぐらいかもね。宗一郎さんは慣れてるだろうから平気だよ。……多分。まあ、でも本当にそろそろ許してあげたら。三週間以上会ってないんでしょ?」
高倉さんに優しい笑顔でそう言われて私は言葉に詰まる。
高倉さんだったら、もっと早く許してあげられてたのかな。
私ってやっぱり心が狭いのかも。
まだそういう事を考えてしまってちょっとだけ気分が沈む。
「……はい」
シュンとして頷いた私を見て、高倉さんは優しい笑顔で頭を撫でてくれる。
私も、和弥くんにすごく会いたいとは思ってる。
高倉さんの旦那さんにも迷惑かけてるみたいだし、それは本当に申し訳なく思う。
別にもう本当に怒ってるわけではないし、なんか意地張りすぎちゃったかもしれない。